音声放送向け緊急地震速報システム KANAME-QUICK/Audio

コミュニティラジオ放送局において緊急地震速報を行うシステムとして開発されましたが、構内放送等の用途にもお使い頂けます。

概要

• 本製品はコミュニティラジオ放送局において緊急地震速報放送を実施するシステムです。放送文言を変更することにより、施設等での館内一斉放送にも対応可能です。
• 緊急地震速報（警報）の対象範囲に自局があるとき、割込放送を実施します。
• 放送エリアが限定されていることを生かして、全国または県域の放送局では伝えるのが困難なきめ細かい情報を放送することが可能です。
• 本システムは株式会社エフエムもりぐち(FM-HANAKO 82.4MHz)と共同開発され、平成20年2月よりFM-HANAKOにおいて実運用が開始されました。

機能と特徴

１．コミュニティラジオ放送局に適した緊急地震速報の放送

• 放送出力は、緊急地震速報（警報）から起動されます。
• 警報が発表されかつ自局位置が「強い揺れが推定される地域」に含まれる場合が 放送起動条件となります。緊急地震速報を受信してから一秒以内に割込み出力を行います。
• 自局位置における主要動到達までの猶予時間を計算し、猶予時間に応じて異なる放送を実施します。猶予時間が長い場合には震源地名を放送内容に加えます。
• 本システムからの出力は接点出力(起動信号)とライン出力であり、一般的な放送システムに割込み入力することができます。
• キャンセル情報については自動放送を行わない時間帯を曜日ごとに設置できます。
• 報知音は日本放送協会(NHK)作成の音又はリアルタイム地震情報利用協議会(REIC)作成の音のどちらかを選択できます。

NHKチャイム音	NHK緊急地震速報のページ
REICサイン音	REICサイン音のページ

２．緊急地震速報の表示

• パソコン画面に緊急地震速報が表示されるので放送出力と同時に画面上でも状況確認が行えます。
• 画面表示条件は放送条件とは別に設定できるため、放送条件を満たさない情報の場合でも、局内で地震情報を表示できます。 高度利用者向け緊急地震速報からの表示も可能です。

３．テスト放送

• メンテナンスによりシステムを終了するとき、システム開始時に放送出力することが可能です。
• 予め設定された時刻(週1回または月1回)に配信事業者サーバに対してテスト要求信号を送信し、テスト信号を受信することにより試験放送を行うことができます。これにより、配信事業者から放送設備まで一連の動作を定期的に確認することが可能となります。(ただし、配信事業者がアイテック阪急阪神(株)の場合に限られます。)
• あらかじめ用意されたテスト地震情報を再生することにより、テスト出力ができます。

４．異常監視

• 配信事業者の配信サーバとの接続状況・音声合成報知機との通信状況を常時監視し、異常検知時には登録されたメールアドレスへメール送信します。
• システム起動時にも登録されたメールアドレスへメール送信します。

５．時刻校正機能

• PCのシステム時刻を外部NTP サーバーと定期的に通信することにより校正できます。
• 専用線接続等でインターネットに接続できない場合でも、緊急地震速報電文から簡易的に時刻校正ができます。

６．容易な操作性

• メンテナンスによりシステムを終了するとき、システム開始時に放送出力することが可能です。
• 配信事業者から受信した緊急地震速報（予報・警報）について、一覧をテーブル表示します。
• 放送出力した内容については放送出力時刻とともに一覧表示します。

放送内容

緊急地震速報受信時の放送内容

緊急地震速報受信時の放送内容は、主要動到達までの猶予時間により異なります。 また、各放送において「震央地名」を出力しますが、これは一般向け緊急地震速報電文内に記載される震央地名を表します。 また、（報知音）については、NHKまたはREICのどちらかを選択できます。

猶予時間が10秒未満の場合

猶予時間が「放送起動条件」で設定した「主要動到達後○秒経過して受信した緊急地震速報は放送しない」の条件にあてはまらず、 かつ10秒未満の場合、以下の放送を行います。○秒経過のち緊急地震速報を受信したものについては、放送を行いません。

▽（報知音）緊急地震速報強い揺れに注意してください。 ▽車はハザードランプを点けてください。頭を保護してください。x２回 ▽車はハザードランプを点けてください。落ちてくるものに注意し、頭を保護して、落ち着いて行動してください。 ▽【震央地名】で地震が発生した模様です。詳しい情報が入り次第お伝えいたします。x３回

猶予時間が10秒以上20秒未満の場合

▽（報知音）緊急地震速報強い揺れに注意してください。 車はハザードランプを点けてください。落ちてくるものに注意し、頭を保護して、落ち着いて行動してください。 強い揺れに注意してください。車はハザードランプを点けてください。落ちてくるものに注意し、頭を保護して、落ち着いて行動してください。 ▽車はハザードランプを点けてください。落ちてくるものに注意し、頭を保護して、落ち着いて行動してください。 ▽【震央地名】で地震が発生した模様です。詳しい情報が入り次第お伝えいたします。x３回

猶予時間が20秒以上30秒未満の場合

▽（報知音）緊急地震速報 ▽【震央地名】で地震が発生した模様です。 ▽車はハザードランプを点けてください。落ちてくるものに注意し、頭を保護して、落ち着いて行動してください。 ▽強い揺れに注意してください。車はハザードランプを点けてください。落ちてくるものに注意し、頭を保護して、落ち着いて行動してください。x２回 ▽車はハザードランプを点けてください。落ちてくるものに注意し、頭を保護して、落ち着いて行動してください。x２回 ▽【震央地名】で地震が発生した模様です。詳しい情報が入り次第お伝えいたします。x３回

猶予時間が30秒以上の場合

▽（報知音）緊急地震速報。【震央地名】で地震が発生した模様です。 ▽車はハザードランプを点けてください。落ちてくるものに注意し、頭を保護して、落ち着いて行動してください。 ▽強い揺れに注意してください。車はハザードランプを点けてください。落ちてくるものに注意し、頭を保護して、落ち着いて行動してください。x２回 ▽車はハザードランプを点けてください。落ちてくるものに注意し、頭を保護して、落ち着いて行動してください。x３回 ▽【震央地名】で地震が発生した模様です。詳しい情報が入り次第お伝えいたします。x３回

キャンセル報を受信した場合

キャンセル報を受信し、設定で自動放送を行うことになっている場合、地震速報の放送を中止して、直ちに以下の放送を行います。

▽先ほど、緊急地震速報の信号を受信し、放送しましたが、誤報との信号を受けました。x３回

機器構成

No.	品名	型番	数量
1	受信パソコン	Windows PC	1台
2	音声合成報知器	PATLITE FVシグナルボイス カード式音声合成報知器FV-511A	1台

動作環境

OS	Microsoft Windows 7, 8, 2008 Server, 2012 Server .NET Framework 2.0上で動作します（必要な環境がインストールされていない場合は、本ソフトのインストーラから自動的にインストールされます。）
プロセッサ	1GHz以上の32ビット(x86)プロセッサまたは64ビット(x64)プロセッサ
メモリ	1GB以上(32ビット)または2GB以上(64ビット)
ハードディスク	10GB以上の空き容量
ディスプレイ	解像度1024×768ドット以上
インタフェース	RS-232Cポート×1またはUSBポート×1（USB-シリアル変換ケーブルを使用）